この日、お二人の来園者がありました。
お一人は、一橋大学の猪飼准教授、
お連れの方は山梨県で葡萄園をやっている三代目の中村さん。
(最初は研究室の院生かと…)
猪飼准教授とは
ボランティアの話と除染の話について現地の状況をお話しました。
猪飼准教授とのツーショット
その後、猪飼准教授から
「彼は山梨県で葡萄園をやっている三代目ですが、お話しを聞いてあげてください。」
と言われました。
葡萄園だけに、葡萄の支援のお話かと思いましたが違いました。
「実は今、有志から被災地へ桜を贈る“希望の桜プロジェクト”というのを進めていて、その代表で来たんです。」とのこと。
「私の葡萄畑には、有志から集めたお金で買った桜が200本植えてあります。園庭の除染で、なくなってしまった樹木の後に桜の木はいかがですか?」
と恐る恐る訊いてきました。
私は
「そうですね。園庭に桜ってイイですね〜。」
「でもそんなにたくさんの桜はうちの園庭に植えるのももったいないので、除染が終わった後の園児宅のおうちの庭に植えるというのはいかがでしょうか?きっと家族みんなで喜んでくれると思いますが。」
「毎年春にその復興の桜の花が咲くっていいですよね。いつかイイ思い出になる時が来るでしょうか。」
と返事を返すと、
三代目中村さんの眼からいきなり涙が溢れ出してきたのです。
涙が滝のようにドワーッと。
「ど、どうしたの?」と訊くと彼は
「良かった。喜んでもらえて。」
と涙ながらに言うのです。
「自分たちの思いを現地の方々が本当に喜んでくれるのか?迷惑になるんじゃないか?不安だったんです。」とも…。
なんということでしょうか。
たくさんの有志の思いを背中にしょってやってきた三代目中村さん、どれだけの重さをしょってきたのでしょう。荷物を降ろす場所を見つけたかのような安堵の表情にも見えました。
私自身も
その思いに胸を打たれ…涙が溢れてきました。
そして、「ありがとう」の言葉と共に、彼と握手しないではいられませんでした。
そしてまた二人涙しました。
彼は言いました。
「除染が終わった家には私が植樹しに来ます!」と。
私は言いました。
「それなら家族も含めてみんなで植樹祭しようよ!」と。
まさしく“復興のシンボル”となる桜です。
希望という名の光(by山下達郎)
ならぬ
希望という名の桜
ですね。
この桜が南相馬市内にたくさん植えられますように。
三代目中村葡萄園のブログは⇒コチラをご覧ください。
最後に
三代目とのツーショット。
まだ少々涙目です。。。