『先生、うちの子、姿勢チャンピオンになりたいって言ってるんですけど…姿勢チャンピオンになるにはどうしたらいいですか?』
と言われます。
きっと子どもがお家に帰ってご飯の時とかに話しているのでしょうね。
年長組で毎日午後1時から一時間やっているヨッシータイムの最後に
“姿勢チャンピオン”は決まります。
姿勢チャンピオン
…チャンピオンですから、当然1人であるべきものなのですが、
やはり23名いる中から1人だけ選ぶのは大変です。
そこで最近は姿勢チャンピオンはその日の状況を見て人数を決めています。
多い日は6人。平均は3人位でしょうか。
姿勢チャンピオンは、決して順位づけするものではありません。
でも人よりもがんばろうとして、そしてがんばっていることは認めてあげて、褒めてあげるべきだと考えます。
お母さんやお父さんに褒められる喜びがあるのと同様に、
子ども達集団の中で、たくさんの仲間に認めてもらえ、拍手される喜びもあります。両方大事なことだと思います。
基本的に、子どもはみんながんばろうと思っています。
それを大人が“見つけて”あげて、、“褒めてあげて”、子どもの個性を“認めて”あげて、できなくても“励まして”あげれば
きっと子どもはやる気をさらに出して素直に伸びていくと思っています。
ヨッシータイムでは、できるだけ多くその時間の中で、みんなの前で発表する機会を多くしていますし、みんなから拍手をもらうこともたくさん設定しています。みんなの前で発表する楽しさ・喜び、そして次も発表しようという意欲につなげるためです。
そして、姿勢保持を重要ポイントとし、その時間の初めから終りの中で
最も姿勢の良かった子どもを姿勢チャンピオンとして指名します。
姿勢チャンピオンは、前に出てきてインタビューされます。
頭をなでながら、肩を抱きながら、
『今日はとても頑張ったねー。姿勢かっこよかったよー!』
『今日はチャンピオンになれると思った?』
『どんな気持ちでがんばった?』
『明日もチャンピオンになれるかな?』
などと聞いていきます。
実際、この“姿勢チャンピオン”になりたくて
姿勢保持が30分もたなかった子も一時間ちかく席で背筋を伸ばして座っていられるようになりました。驚きです。
やはり、子どもは素直なんだなと改めて思います。
最近、小学校の授業崩壊などと言われ、落ち着いて座っていられない子どもが増えてきたと言われています。
なんとか、保育園に在園している間に、一時間の姿勢保持ができれば
小学校に入っても大丈夫なのではないかなと思っています。
なお、姿勢保持ポイントは
@背筋を伸ばして胸を張る。
A足をぶらぶらさせない
B椅子に深く腰を入れる。
C勝手に席を立って歩かない
D何か用があったら手を上げ、声を上げない。
という観点で見ています。
朝、子供たちは私に言います。
『先生!今日は僕のことよく見てね。姿勢チャンピオンになるから。』
『先生!今日は私を姿勢チャンピオンにしてね。』
『先生!昨日チャンピオンだったから、今日もチャンピオンになる!』
一人一人見ていくことはとても大変なのですが、
子供たちは自分が見られているということを意識するだけで変わります。
私は、ヨッシータイムの中でもよく言う言葉があります。
『先生は、みんな一人一人をよく見ていますよー』
今年度のヨッシータイムも残りあと2日。
今日の姿勢チャンピオンは、何人になるか楽しみです。
最終日は、全員が姿勢チャンピオンになるといいな…。